痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.
8.

 

岡山大学 医学博士 大山博行 著

「脳を守る漢方薬」 プロローグ -ボケずに100歳まで生きるために

すべての病気の鍵を握る脳の働き 後編

 特筆すべきは、脳の働きと東洋医学との関係の解明です。漢方薬はもちろんのこと、鍼灸などが効果を発揮するのは、まず脳に作用して神経伝達系をうまくコントロールし、私たちに本来備わっている生体防御システムを活性化するためであるということがわかってきました。人間は、誰でも体内に、あらゆる疾患に対する防御機能を持っています。それが十分に働いていれば、ガンや心臓病、脳血管障害などの成人病(生活習慣病)はもとより、痴呆症さえも抑えることが可能なのです。

 鍵を握っているのは脳の働きです。たとえば私たちが日常生活のなかでなんらかのストレスを受けると、それに反応して私たちの心は変化します。その心の変化が脳に変化を与え、生体防御システムに影響をもたらします。こうした病気のメカニズムが、科学的に解明されるとともに、あらためて、東洋医学の力が見直されてきたのです。

 今から、2000年以上も前に、中国の扁鵲(へんじゃく)という人が、世界で初めてといってもよい医学書を著わしました。その本の中で彼は、真の名医は「未病を治す」と述べています。未病、つまり、いまだ発病していない未来の病気を予測し、発病前に治すのが本当の医学であり、東洋医学の基本だというのです。東洋医学とは、「病気にさせない医学」だといっていいでしょう。

 私が目指し、この本でも提唱したいのが、まさにこの「未病」の段階で病気を治す、という考え方です。むろん痴呆症も例外ではありません。それを私は「養生(ようせい)の秘法」として、後に紹介したいと思います。繰り返し述べますが、そこで重要なのが「脳のメカニズム」を知ることなのです。 続く


以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。



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