痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.53.
岡山大学 医学博士 大山博行 著
「脳を守る漢方薬」 第3章 老化の原因は「活性酸素」だった
悪魔の酸素No.4=シングレット・オキシゲン
空気中の正常な酸素を専門的には「3重項酸素」と呼んでいますが、この3重項酸素が紫外線などの光の刺激を受けて、活性化されることにより誕生する悪魔の酸素がこのシングレット・オキシゲン(1重項酸素)です。
この悪魔の酸素ナンバー4強さは、普通の状態ではナンバー3のヒドロペルオキシドとほぼ同等と考えられます。が、相手によって自分の攻撃能力を増大させることができる特殊な能力を持った活性酸素です。事実、悪魔の酸素のなかにあって、唯一、帝王・ヒドロキシルラジカルの支配を受けずに、独自に行動することを許された活性酸素なのです。また、状態によって攻撃能力を最高にアップさせた場合、帝王・ヒドロキシルラジカルの攻撃力とほぼ同等なレベルまで強力になることすらあります。
シングレット・オキシゲンの生体に対する作用は、たとえば日光浴での日焼けや、スキー場で目がチカチカして開けていられなくなる「雪目」などの症状に典型的に見られます。これは、皮膚や目に発生したこの悪魔の酸素が原因になっています。また、最高い強力になった場合は、皮膚ガンや白内障を誘発する原因とさえなります。
さて、4種類の悪魔の酸素(活性酸素)のなかで「ラジカル」の称号が与えられているものは、帝王・ヒドロキシルラジカルとナンバー2のスーパーオキシド・ラジカルの2種類です。正常な酸素分子もそうですが、安定した分子はすべて電子は2個ずつペアになっています。ところが、この2種類の悪魔の酸素の分子を見てみると、ペアになっていない電子(不対電子)を持っていることがわかります。このペアになっていない電子を持っている分子は、ひじょうに不安定になります。不安定というのは、分子自身が電子のペアをそろえて安定したいために、他の物質から電子を奪いたくてムズムズしているという状態です。
じつは、不対電子を持つこのような不安定な分子、物質を「フリーラジカル」と呼んでいます。フリーは英語で「自由な」、ラジカルは「過激な」という意味になりますから「ラジカル」の称号を与えられた分子は「自由な過激分子」という意味になります。文字どおり悪魔の酸素のなかでも、強力な破壊力を持った危険分子ということになります。 続く
以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。
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