痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.
43.

 

岡山大学 医学博士 大山博行 著

「脳を守る漢方薬」 第2章 脳細胞は自殺する

アルツハイマー病患者に徘徊が見られるわけ 後編

 アルツハイマー病患者の老人斑が一般の老人斑と異なる点は、大脳皮質のすべての領域に広がって認められるということと、その数がおびただしく多いという2点だけです。また、神経原線維変化も、60代の方の60〜70パーセントに見られ、70歳以上のお年寄りでは100パーセントと、やはりすべての人の脳に認められます。しかし、神経原線維変化に関しては、正常に老化した脳では海馬を中心に現われる変化であるのに対して、アルツハイマー病患者の脳では、海馬だけでなく、大脳皮質にも広がって現われる変化だという点が大きく異なっています。
 何度も述べているように、アルツハイマー病に関しては、いまだ原因が解明されていません。このことは、アルツハイマー病を診断するための国際基準(アメリカ精神医学会制定)にDSM−V−Rというものがありますが、その内容を見てもわかるように、この基準は除外基準にすぎません。つまり、すでに痴呆があり、かつ痴呆の原因となるほかの疾患がないということで「アルツハイマー病」との診断が下されているのが現状なのです。
 ただ、私のいままでの説明から、アルツハイマー病の脳と老化した脳との大きな違いは、アルツハイマー病のほうが「急速におびただしい数の脳細胞が脱落して死滅する」という点にあるということはおわかりいただけたと思います。第4章で、何が原因でアルツハイマー病には広範囲の脳細胞死が起こるのかについて、さらに考えていきたいと思います。 続く


以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。



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