痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.
42.

 

岡山大学 医学博士 大山博行 著

「脳を守る漢方薬」 第2章 脳細胞は自殺する

アルツハイマー病患者に徘徊が見られるわけ 中後編

 老人斑というのは、脳細胞の外に沈着するシミのようなものと思っていただければよいと思います。このシミは「β−アミロイド」と呼ばれるもので、それまで知られていなかったタンパク質が結合してできたものであることが、1984年に解明されています。
 老人斑は脳細胞の外側に見られる異常ですが、神経原線維変化は脳細胞内に見られる異常で、言葉は難しいのですが、細胞体の核のまわりに溜まるもつれた糸のようなものと思っていただければよいと思います。このもつれた糸(神経原線維変化)は、細胞内に多量に存在する細胞骨格物質の変化したものと考えられています。
 いずれにしても、これらの所見は、脳細胞自体が損傷を受けて回復困難な様相を呈すもので、つまり、アルツハイマー病が回復困難な病気であることを示しているといえます。
 ところで、研究者たちが当惑しているのは、おそらくアルツハイマー病の発症に深くかかわっているこの老人斑や神経原線維変化が、じつは老化とともに誰の脳にでも見られる変化であるということです。
 一般に、老人斑は65歳以上のお年寄りの50パーセントに見られ、80歳以上のお年寄りでは100パーセントに、つまりすべての人の脳に現われる変化であるといわれています。また、老人斑が沈着する場所は、記憶の中枢である海馬に多く、大脳皮質にも広がっています。 続く


以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。



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