痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.37.
岡山大学 医学博士 大山博行 著
「脳を守る漢方薬」 第2章 脳細胞は自殺する
脳の老化とは何か? 後編
つまり、脳の老化とは、「自然に脱落する脳細胞の数(自然細胞死のスピード)が、正常の域を超えて増えすぎた結果、日常生活に必要な脳細胞までもが脱落し、死滅しはじめる過程」を指すのです。脳の老化現象は、正常な神経線維回路網(神経情報伝達ネットワーク)の乱れとしてとらえられますが、分子細胞レベルでは「脳細胞の硬化」として確認でき、顕微鏡的には「老人斑」の出現、肉眼的には「脳の萎縮」になります。そして症状的には痴呆として現れてきます。簡単に言えば、脳細胞が老化すると細胞が硬くなり、シミができ、小さくなり、ボケるということです。
X線CT(コンピュータ断層撮影法)を使って生きたままの人間の脳を輪切り状態で観察し、脳の萎縮を調べたデータによれば、30代半ばあたりから人間の脳の萎縮は加速度的に進行して、80代では20歳時の約90パーセントにまで萎縮していることが明らかにされています。これにともない、大脳皮質の血流量も低下することが知られていて、健康な老人の脳では72パーセントにまで低下していることがわかっています。しかし、アルツハイマー病患者の大脳皮質の血流量は、健康な成人の50パーセント以下にまで低下してしまいます。
ここで、もう一度図4を見てください。脳細胞死がB細胞だけで済んでいる間は、他の脳細胞で代わりをつとめることができます。ところが脳細胞死が加速され、もしD細胞にも及んだらどうなるでしょうか。D細胞だけでなく、さらにA細胞とC細胞にまで及んでしまったらどうなるでしょうか。これらの重要な脳細胞を取り囲むまわりの脳細胞がいくら頑張っても、もはや途切れてしまった情報伝達回路は再開できなくなってしまいます。 続く
以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。
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