痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.
36.

 

岡山大学 医学博士 大山博行 著

「脳を守る漢方薬」 第2章 脳細胞は自殺する

脳の老化とは何か? 前編

 この章のテーマである「脳の老化とは何か」の核心に入っていくことにしましょう。それが「廃用性萎縮」による脳細胞の脱落とも異なることも説明したいと思います。
 55ページの図4を見てください。この図は、ある人の脳の中でABCDEとう5個の神経細胞がお互いに突起を伸ばし、シナプス結合して情報伝達経路を作っている状態を表しています。実線はよく使う情報伝達回路を意味し、点線はほとんど使わない情報伝達回路を表わしています。この人は日常生活において、ABC間やAD間の情報伝達回路をよく使っていますが、AE間やDC間はほとんど使わない状態で日常生活を送っているということを示しています。(@)。 この人が、このまま日常生活を続けていけば、まず第一に「廃用性萎縮」によってEの脳細胞が脱落します。しかし、この状態では日常生活には表面的な支障は何も出てきません(A)。 ところが、普段よく使っている情報伝達経路の中で脳細胞の脱落が起こったらどうでしょう。たとえばBの脳細胞が脱落したとします。(B)。すると、この人が日常生活を続けるうえで必要なAC間の情報伝達回路が閉ざされてしまいます。その結果、ある日突然、取引先の会社の担当者の名前が思い出せないとか、常識的な英単語の意味や漢字が書けない、というようなことが起きてきます。これが「良性健忘」であり、老化現象の一つというわけです。 しかし、この人は、AC間の情報伝達を頻繁に使っていたので、ABCという回路が頻繁に使われている場合にも、この回路の補佐として、DC間が連結していたりします。このような場合は、Bの脳細胞が死んで脱落しても、使い慣れたABC回路よりも、やや情報伝達のスピードは遅く(いわゆる頭の回転は悪く)なるものの、ADCの形で情報伝達回路を再開できることになるわけです(C)。この過程が「脳の老化」ということになります。
 もちろん脳の神経細胞の情報伝達回路は、実際にはこんなに簡単で単純なものではありません。これは、廃用性萎縮による脳細胞死と老化による脳細胞死の違いを説明する1つのモデルとお考えください。 続く


以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。



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