痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.158


 

岡山大学 医学博士 大山博行 著

●漢方薬の老化防止作用について 岡山大学医学部名誉教授・森昭胤

 老化とともに、脳の記憶に関する神経伝達物質、アセチルコリン、セロトニン、ノルアドレナリン、GABAなどの活性が低下することが明らかにされている。しかし、脳の老化にともなって生ずる病変が、どういうメカニズムで起こるのかは、まだ完全には解明されていない。
 1981年にハーマンは「老化のフリーラジカル説」を提唱した。彼は「有害なフリーラジカルの作用が細胞に持続的に加わることによって老化のプロセスが作られるか、あるいは老化の最大の原因となっている。人間では、主として酸素のフリーラジカルによってこのような作用がもたらされる」と述べている。
 酸素のフリーラジカルとは、スーパーオキシド・ラジカル、ヒドロペルオキシド、ヒドロキシルラジカルなどの活性酸素種であるが、その強力な酸化作用のために毒性が顕著で、脳の神経細胞の障害や老化の発生機序に需要な役割を演じている。われわれは、脳の老化にともない、脳内のスーパーオキシドを消去する酵素、SODの活性が増加していくことを全世界に先がけて明らかにした。この事実から、老化した脳ではフリーラジカルの発生が確実に増加していることが示唆された。
 また、フリーラジカルは老化ばかりでなく脳神経系に対する虚血性疾患(脳血管性痴呆など)やアルツハイマー病にも関与していることが確認されている。
 老化のフリーラジカル説について、ハーマンは、さらに次のように述べている。「体の中のフリーラジカル反応を最小にすることを、つねに考慮した必須栄養素を摂取して、快適な暮らしを損なわない程度に低体重を維持することができれば、人間は寿命を5〜10年あるいはそれ以上延ばすことが可能になる!」と。
 食事の制限は、寿命を延ばし、酸素摂取量を減らしてフリーラジカルの生成を抑制する。食事性の抗酸化剤もまた健康と長寿に貢献する。おそらく、強力な活性酸素消去作用を有する漢方薬は、脳の老化のスピードを緩め、脳の神経細胞障害を抑制する食事性の抗酸化剤として利用できるのではないかと考えられる。
 Recent Advances in the pharmacology of Kampo Medicines:pp.102-104 1998より


以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。

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