痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.132
岡山大学 医学博士 大山博行 著
第5章 病気を未病に防ぐ「養生の法」
「健康」と「未病」の違い
私はこの本で、たびたび「未病」および「養生」という言葉を用いています。あらためてその意味を考えてみたいと思います。
まず「未病」ですが、私たち人間は、なぜ病気になるのでしょうか。本来、人間は自然に順応して暮らせば、与えられた寿命をまっとうできるはずです。ところが現代社会のなかでは、いつのまにか私たちは不自然な生活を強要され、身も心も歪んでしまっています。食事の乱れをはじめとする生活習慣の乱れ、人間関係のストレスによる心の乱れなどが、人間の病気の最初の原因となっていると考えられるのです。
それでは、反対に「健康」とは、どういう状態のことをいうのでしょう。世界保健機構(WHO)が発表している「健康」の定義によれば、「健康とは、肉体的にも、精神的にも、社会的にも、完全によい状態にあることであり、単に病気ではなく、虚弱ではないということではない」ということになっています。つまり、健康とは、単に肉体的な健康だけでなく、精神面においても安定しており、社会的にも十分に活動できることと定義しています。それは、自然のリズムに沿った日常生活が無理なく送れて、食事、運動、急速などの日常生活のおもな要素がうまくバランスがとれている状態であり、不安を起こさせるストレスが少なく、感情がうまくコントロールされている状態であるといえます。
あなたは、現在このような状態にありますか、と問われて、胸を張って「イエス」と答えられますか。とくに病気にかかっているわけではないけれども、かといって、自信をもって「健康です」とは言えない人が多いのではないでしょうか。仕事の状態にしても、身体や精神の状態にしても、どうもすっきりとせず、気持ちよく生きてはいない、このような状況を自分で意識していたら、その人は、完全な「病気」ではないにしても、真に健康ではない、中途半端な状態であるということになります。このような健康状態を、東洋医学では「未病」と呼んでいます。
以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。
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