痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.131
岡山大学 医学博士 大山博行 著
第5章 病気を未病に防ぐ「養生の法」
「未病を治す」ことの重要性(2)
これは、いったい何を意味しているのでしょうか。最先端の西洋医学といえども、生活習慣に関係する疾患、老化(加齢)に関する疾患、慢性の経過をたどる疾患、そして動脈硬化性の疾患の初期には、確実な治療方法を持たないということです。
西洋医学の治療方法は、病気をなくすことと生体への負担の双方を天秤にかけて、前者の比重が重ければ、生体への負担を犠牲にしてでも治療に踏み切る、というものです。治療効果が強ければ副作用も強いのは当然で、もしこのような薬を長期間にわたって飲みつづければ、最初は軽い副作用ですみますが、徐々に重篤なものになり、内臓は破壊されてしまいます。このよい例が、アトピー性皮膚炎にステロイド剤を用いた場合です。
もちろん、やむをえない場合もあります。しかし私が言いたいのは、極力そんな事態に至らないためにも、東洋医学に学びましょうということです。その核心は、後に述べる「養生の道」にあります。
「未病」の段階で西洋医学の方法論を無理に適用すれば、まちがいなく病気は悪いほうへ向かいます。逆に、重病の段階でも、西洋医学に東洋医学を併用すれば、恐ろしい副作用を軽減できます。さらに、発病の初期なら東洋医学だけで十分に治癒の方向に向かうのです。東洋医学だけで病気を治癒できれば、生体への負担はありません。
本書はいわゆるボケ、とくにアルツハイマー病はどのようにすれば予防できるのかを中心のテーマにしています。それなのになぜ肥満や心臓病の話を持ち出すのかと、不審にお思いの方もいるのではないでしょうか。アルツハイマー病にかぎらず、肥満から生活習慣病、そしてガンに至るまで、すべての病気は「未病」の段階で治す、というのが東洋医学の基本です。またこの考え方は、最近では西洋医学も大いに注目しています。そこで、あらためて東洋医学の基本をわかりやすく解説し、ひいては、病気とは無縁な「幸せになる方法」をお教えしたい、というのが私の願いです。
以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。
← Next Page.
Copyright (C)
Hiroyuki Ohyama 1999.
All Rights Reserved.
無断転載厳禁