痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.151


 

岡山大学 医学博士 大山博行 著

エピローグ━ボケを予防する6ヵ条

人間も自然の一部

 東洋思想の1つに、古くから「天人合一」という考え方があります。天と人とは1つである、すなわち、人間は大宇宙の一部であり、大自然の一部であるというものです。言い換えれば、人間はそれ自体、小宇宙であり、小さな自然であるとの考え方です。
 私が本書で提唱してきた「養生」の大切さも、この東洋的な自然観から生まれたものです。破壊された大自然のなかでは、人間は健康でいられるはずはありません。大自然を守り、順応して生きることがみずからの意志で命を養い、よりよく生きることにつながります。これが「養生の道」の極意です。
 一個の「自然」である私たちの人間の体には、生まれながらにあらゆる疾患に対しての完璧な防御システムが備わっています。ところが私たちは、つい無理をしたり、体を休めることを忘れたり、暴飲暴食などの欲望のままに行動してしまいがちです。その結果、完璧なはずの生体防御システムにわずかな乱れが生じてしまいます。
 私たちを取り巻くストレスは、このわずかな生体防御システムの乱れを逃さずに襲いかかってきます。酸化ストレスによる活性酸素の攻撃もその1つです。誰もがかかる風邪でも、放っておくと重病になることがあるように、この生体防御システムの乱れにつけこむストレスをそのまま放置すれば、最初は軽い乱れでも、徐々に大きくなってしまいます。その結果、老化を早めたり、成人病などの発病につながり、最後には取り返しのつかない重病が待っています。その最たるものがガンや虚血性心疾患であり、本書のテーマであるアルツハイマー病や脳血管性痴呆症です。
 逆にいえば、生体防御システムを活性化させてストレスから身を守るようにすれば、アルツハイマー病や脳血管性痴呆症にならずにすむことができるのです。これが東洋医学でいうところの「未病」の段階での対処の大切さです。また、「養生の法」を用いるのに最も適した状態が、この「未病」の段階ということになります。
 私は独自の理論に基づいて、「養生の法」の実践の仕方を本書で述べました。その中心となるのが「東洋医学的手法」であり、「臨床心理学的手法」です。東洋医学的手法では、一般の方にも実践できる漢方薬に主眼を置いて説明しました。私が提唱する「最高の漢方薬」を用いれば、「ハイヤー・ナーバス・システム」(HNシステム 5つの生体防御システムを合わせた総合ネットワーク・システム)を駆動させることができ、このシステムが最高によい状態で駆動すれば、すべての病いを「未病」のうちに完全治癒させることができます。
 HNシステムの中枢は、脳の視床下部にあります。つまり、健康でいられるか病気になるかの鍵は、脳が握っているのです。脳の老化そのものの表れである、いわゆるボケの予防に、「養生の法」が最も理に適っていることもおわかりいただけると思います。


以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。

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