痴呆症・アルツハイマーはもう怖くない!
「脳を守る漢方薬」 No.146
岡山大学 医学博士 大山博行 著
第6章 幸せになるための3つの処方箋
「心の指紋」で自分の弱点を知る
され、バーン博士は1970年に亡くなるまで、サンフランシスコの自宅で毎週セミナーを開いて交流分析の普及に努めました。その後、直弟子のジョン・デュセイという人がこの5つの自我状態が放出している心理的エネルギー量をグラフ化することに成功し、これをエゴグラム(Egogram)と名づけました。
「エゴ」というのは自我のことですから、エゴグラムとは、自我状態を把握するためのグラフです。より広義に、行動パターンを把握するためのグラフと考えていただければよいと思います。このグラフを見れば、個人の心理状態、行動パターンの特徴を理解することができ、陥りやすい人間関係の罠や日常生活のくせを客観的に把握することができます。
エゴグラムは、個人の心の中の5つの状態を質問して答える形をとる心理テストの1種で、テスト結果を折れ線グラフや棒グラフなどで表示することができます。このグラフのパターンは個人に唯一のもので、同じものは2つとなく、「心の指紋」と呼ばれています。一般にエゴグラムの最も高い自我状態が個人の行動を支配し、最も低い自我状態が行動上の弱点になります。
ここで、最も基本的なエゴグラムの読み方を示しておきましょう。それは、自分のFCとACの心的エネルギーの支配関係に注目することです。
もし、ACの心的エネルギーが、FCより強ければ、まちがいなくストレスに弱い性格といえ、ストレス病の発症に注意しなければなりません。なぜなら、ACが自分を支配すると、つねに自分の感情を抑えて行動をとるパターンが多くなり、過剰適応や自己卑下に陥りやすいからです。他人の顔色を気遣いすぎて、自分が楽しめないのです。さらにACの力が強くなると、嫌なことがあったとき、うまく気分転換できず、悪い感情をあとあとまでひきずってしまうことになります。このような人には、未来の発病を防ぐために、FCの心的エネルギーを強くするような「養生の法」を実施してもらう必要があります。
自分の生活を取り巻く人々の1人ひとりのエゴグラムを作成することが可能であれば、個人個人の心の状態、性格傾向、行動パターンが客観的に評価、理解されるので、家庭・学校・職場における適応・不適応状態や、上司と部下の相性、夫婦の相性などについての診断、それに基づく個人の改造への科学的ヒントが得られることになるでしょう。
以上、岡山大学 医学博士 大山博行著 「脳を守る漢方薬」より引用
詳しくは、光文社カッパブックス「脳を守る漢方薬」を御一読ください。
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