口渇、口乾、肥満症（メタボリックシンドローム）と漢方薬　漢方専門　大山漢方堂薬局

内分泌.代謝に関する症状と漢方薬

大山漢方堂薬局漢方薬・鍼灸・東洋医学専門　岡山大学医学博士徳島大学薬学修士大山博行

１）口渇、口乾　→調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可

「口渇」や「口乾」は、種々の疾患に随伴してくる一般症状であり、内分泌、代謝系疾患に特徴的な症状とはいえない。
しかし、この症状は漢方医学では証の決定に重要な症状である。
生理学的には、口渇は口腔粘膜の乾燥感を大脳が感受して生じてくる現象であるが、
生体内部の水分欠乏や水の偏在を是正するために生じてくる防御的な生理調節反応による症状といえる。
口渇をきたす原因としては以下のものが考えられる。
①水分摂取不足、②水分過失過多、③唾液分泌減少、④過度のNaCl摂取、⑤電解質の不均衡、⑥神経質などである。

漢方では、口と渇いて飲水を欲する場合を口渇とよび、口は渇くが飲水を欲しない場合を口乾とよんでいる。
いずれの場合も熱があると考えるが、実証の場合に口渇が多く、虚証の場合口乾が多い。

２）肥満（メタボリック・シンドローム）　→調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可

「肥満」は、身体の脂肪組織に中性脂肪が過剰蓄積した状態である。
摂取カロリーが、消費カロリーを長期間にわたり上回るために生じるものである。
肥満は標準体重に対する過剰体重の割合で判定する。
すなわち、標準体重に対し20％以上の超過を肥満とし、10～20％の増加は体重増加とし、
±10％を正常範囲内とするのが一般的に用いられている判定法である。

肥満は症候性肥満と単純性肥満に分けられる。
症候性肥満はクッシング症候群や甲状腺機能低下症などの内分泌疾患に伴うものが多く、肥満症の1～2％ぐらいで極めて少数である。
ほとんどの肥満症は、単純性肥満で一般に中年太りといわれるものである。
肥満そのものは、特に問題とはいえないが、
これが動脈硬化の促進、心臓疾患、脳血管障害、糖尿病などの発生と深く関係しているところに問題がある。
大山漢方堂薬局では、肥満症の患者さんには、余分な脂肪を分解する（褐色脂肪組織を活性化）、痩せる漢方薬を用いるが、
漢方薬服用と同時に、積極的な食事療法、運動療法を併用することが成功につながる。

その先を考えて、もっと重要なことは、
東洋医学は、肥満症の改善というよりも肥満に伴って生じる種々の疾患の予防と改善に効果がある。

つまり、
①高脂血症の予防と改善、　→調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
②動脈硬化進展阻止、　→調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
③脂肪肝の予防と改善、　→調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
④肥満により生じる倦怠感、易疲労の改善　→調合漢方薬服用、鍼灸治療併用可
などである。

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