漢方を現代病に活かす!漢方専門 大山漢方堂薬局
大特集:冬虫夏草 (とうちゅうかそう)
ブラジルの全国ネットテレビ局  ブラジル RECORD TV さんの漢方のドキュメンタリー映画の中で、医学博士 大山博行先生が、ご紹介されました。
大山博行先生は、大山宗伯東洋医学記念館資料室、大山漢方堂薬局調剤室にて、冬虫夏草の効能・効果、服用方法等を、解説しています。

天然冬虫夏草(原体)(上品:1g/6000円より、中品:1g/5000円より、並品:1g:4000円より、下品:お取り扱いなし)


 原形写真  漢方薬としての冬虫夏草(天然・姿)


冬虫夏草 (とうちゅうかそう)とは!?

冬虫夏草は「コウモリ蛾」の幼虫に寄生する、バッカクキン科のキノコで、中国の王侯貴族はこれを不老長寿、精力源として珍重していた
といわれます。この菌は寄生先の選択性をもっており、特に中国の四川省、青海雲地域の3000から5000メートルの高原や
チベットの高山の一部に生息する「コウモリ蛾」の幼虫に寄生して、冬の時期に幼虫を栄養分として土の中で幼虫の体内に菌糸核を形成します。
幼虫はキノコにすべての養分をとられてしまうので枯死します。春には幼虫の頭部からキノコの子実体が発生して棒状の子実体のみが
地上に姿を現し、この子実体がまるで草のように見える、その形態から冬虫夏草と呼ばれるようになりました。
虫の幼虫に寄生するキノコの種類は390種を超えるといわれ、「コウモリ蛾」の幼虫に寄生する本当の冬虫夏草ではない、
似たものを「冬虫夏草」称している場合もありますので注意が必要です。
日本にも類似のキノコが多種存在しており、これらも含め、幼虫に寄生するキノコを「冬虫夏草」或いは「虫草」としている例が見られますが、
古来より中国で珍重されてきた冬虫夏草とは、中国の特定の地域で「コウモリ蛾」に寄生するコルディセプス・シネンシスのことです。



日本薬局方「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」

本品は、生薬の「冬虫夏草」を乾燥させたものです。
また本品は、厚生省の認可を得た日本で唯一の医薬品です。

効能・効果/次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労
用法・用量/1日量3グラム(常用量)〜15グラム(極量)を3合(600cc.)の水で約30分間、液が約半量(300cc)
になるまで煮つめ、そのろ過した液を3回にわけて食前に服用します。
1日量は本品約6本〜30本分です。

「冬虫夏草についてA」 

 冬虫夏草は、牛黄、鹿茸と同じように貴重な薬物として珍重されています。
中国の奥地、四川省や青海省で採れる冬虫夏草は、冬の間は地中の幼虫につく菌糸体で、夏は棍棒状の芽を出します。
バッカクキン科の植物で、冬虫夏草菌の子実体(いわゆるキノコ)とその寄生であるコウモリガ(蝙蝠蛾)科の昆虫などの幼虫の死体との
複合体です。 冬虫夏草は我が国ではまだなじみの薄い漢方薬ですが、中国では漢方や薬膳に多く使われています。
いわゆる薬膳の代表的な素材として紹介され、最近では中国の陸上選手がこの冬虫夏草を服用して新記録を立て続けに樹立して、
一躍有名になりました。 また現代の薬理学的研究からは、免疫賦活作用を中心とする薬効が解明されてきました。
冬虫夏草の研究では、京都大学薬学部名誉教授藤多哲朗先生(植物化学)の研究が有名、実は私の恩師)
 中国では、品質の一定化を計り、その種を限定して、形態学的特徴を規定して、麦角菌真菌冬虫夏草(Gordyceps sinensis BerkSacc)
としています。 初めて文献に登場するのは、約250年前の『本草従新』で比較的新しい漢方薬といえます。
 現代的な観点からは、クレスチン(カワラタケに含まれる成分)やレシチン(シイタケに含まれる成分)など、
キノコ類に抗癌作用が認められるところから、冬虫夏草が研究されるようになり、免疫増強成分が確認されるようになりました。
動物実験の結果、冬虫夏草に含まれるある種の多糖体がガン免疫を高め、その結果、ガン胞を消滅させると考えられています。


日本薬局方 生薬 冬虫夏草

冬の間は地中の幼虫につく菌体で、夏期には棍棒状の芽を出す植物のようで、大変珍重されている。

〔効能・効果〕 滋養強壮、肉体疲労、虚弱体質
〔用法・用量〕 1日量3g〜15gを3合の水で約40分間、液量が約半量になるまで煮つめ、そのろ過した液を3回にわけて食前に服用

古典『本草従新』(清時代:呉儀洛著)による記載

効能
 1 虚損を補い、精気を益す
 2 肺をうるおし、腎を補う
 3 咳を止め、痰をのぞく
主治
 1 肺虚による、痰、喘咳、胸痛、喀血
 2 腎虚による、陰萎、遺精、腰痛、下肢無力  
 3 肺腎虚による慢性の咳、老人性呼吸器疾患
 4 病後の体力の衰え、自汗、盗汗、貧血、めまい、食欲減退
 5 民間では一般的に、病後などの衰弱を補い調える目的で用いる
服用上の注意
 1 肺熱による喀血には不適当
 2 風邪による咳には不適当
薬理作用
 1 抗菌作用
 2 気管支拡張作用
 3 鎮静作用
 4 腸管・子宮の平滑筋に対する抑制作用
 5 生体の免疫能を高める作用


 原形写真  漢方薬としての冬虫夏草



大人気韓国ドラマ:薬食同源「チャングムの誓い」でも重宝された高貴薬
「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」関連健康食品のご紹介


  天然冬虫夏草(原体)

  天然メシマコブ(原体)

  キングアガリクス(原体)

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大山漢方堂薬局 厳選「冬虫夏草」健康食品 人気と信頼の3品目

@天然冬虫夏草原体(姿)(松浦漢方)

 松浦漢方の「天然冬虫夏草原体」と「天然霊芝」

Aマツウラ冬虫夏草粒(マツウラ漢方)
冬虫夏草とはバッカクキン科の子実体と寄生虫(コウモリガ)の幼虫とで冬虫夏草と言われます。
本品は菌糸体ではなく、子実体を使用しております。
一般的に地上部より上の部分が子実体で、土壌等の下の部分が菌糸体です。
元気がない、疲れる、呼吸機能の異常、精力減退、生活習慣病等に効果があり、
免疫を上げる働きがあると言われております
分包タイプでお気軽に持ち運び出来ます。




 マツウラ冬虫夏草子実体写真 

Aマツウラ冬虫夏草粒(マツウラ漢方)
内容量:60g(200mg=5粒×60袋)
1日量(目安):2〜3袋(約20〜30日分)


大山漢方堂薬局販売価格 1箱 9975円(税込、送料、手数料込
特別割引価格 2箱 18900円(税込、送料、手数料込)
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B天然冬虫夏草カプセル(J-Herb)



大山漢方堂薬局 厳選「冬虫夏草」含有健康食品 人気と信頼の2品目

C順気散(冬虫夏草+メシマコブ+アガリクス)(JPS)



D超級陽神顆粒(冬虫夏草+霊芝+田七人参)(ヘンシコウジャパン)




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参考文献 (博行先生の徳島大学大学院(生物薬品化学)時代の恩師 藤多哲朗先生の文献をご紹介します。

冬虫夏草の薬効と成分 藤多哲朗 著

「冬虫夏草の薬効と成分」 京都大学名誉教授、藤多哲郎

冬虫夏草は、その薬物の名称から地球上の生物や季節など凡ての精気を含んでいるような気がする。
冬虫夏草がブームになった理由は、最初、1993年、中国・馬軍団の女子陸上運動選手が、多くの金メダルを獲得し記録を更新したことによる。
その強さの秘訣は「スッポン、狗肉、冬虫夏草」入りのドリンクであると伝えられた。これら3品は、いずれも中薬辞典に記載されている薬物である。
第二のブームは、冬虫夏草の人口培養による生産が可能となって、健康食品として市場の出たためと思う。
ここでは、薬用のいわゆる「冬虫夏草と昆虫に寄生する菌類の成分と薬効」
さらに現在、私たちが研究している「冬虫夏草類縁菌からの新規免疫抑制剤への開発」について述べる。



1) 冬虫夏草
現在、日本で一般的に冬虫夏草と総称されているものは、昆虫と寄生菌の子実体の合体したものである。
古来より中国では、菌がセミの幼虫に寄生して生じた「蝉花」が小児の夜泣きなどに使用されてきた。
中国では冬虫夏草は虫草、冬虫草とも呼ばれ、菌学者の小林義雄博士は混乱を避けるために、
薬用の冬虫夏草に心ならずも支那冬虫夏草の名称を使用している。

1・1)冬虫夏草の生態

薬用の冬虫夏草は、冬虫夏草菌(フユムシナツクサタケ)がコウモリガ科の幼虫に寄生したものである。
虫体は第三令のカイコのような形をしているが、体内は菌糸で満たされている。
その幼虫はタデ科の植物、珠芽蓼の地下茎を食し、この植物が自生していないと幼虫が生育できないという共生関係が成り立っている。
そのタデ科の植物は日本のイブキトラノオと近縁植物である。冬虫夏草は四川、青海、貴州、雲南、甘粛、チベット、さらに中国の北方やネパールでも産する。
ネパールでは王侯の秘薬として珍重、保護されている。産地が中国奥地の標高4,000メートルの高地であるため、
中国においても知られたのは清時代で、ヨーロッパに紹介されたのは1726年、日本には1728年であった。

図1) 冬虫夏草の生態 写真1) 野生の冬虫夏草 写真2) 市販薬用冬虫夏草




冬虫夏草に関してまとめられた書籍・文献は次のものが出版されている。

(1)小林義雄“日本・中国菌類歴史と民族学”廣川書店(1983)
(2)久保道徳 “冬虫夏草・秘密とそのパワー”保育社 (1996)
(3)江蘇新医学院偏“中葯大辞典(上)”787頁(1985)
(4)清水大典“冬虫夏草”ニューサイエンス社(1979)“原色冬虫夏草図鑑”誠文堂新光社(1994)
(5)難波恒雄“原色和漢薬図鑑(下)”保育社、233頁-234頁(1980)
(6)陣存仁“図説漢方医薬大辞典”172頁-173頁 講談社(1982)
(7)宇多川俊一、椿 啓介ほか“菌類図鑑(上)”70頁、437頁 講談社サイエンティフィク(1982)
(8)小林義雄、清水大典“冬虫夏草菌図譜”保育社、 137頁-140頁(1984)
(9)吉井常人“王侯の秘薬”サンライズ印刷出版(1990)
(10)高橋義博、洪嘉禾“奇跡を呼ぶ冬虫夏草”KKベストセラーズ(1994)。
(11)矢萩信夫、矢萩禮美子“「日本冬虫夏草」超健康法”ワニブックス(1994)
(12)王国棟“冬虫夏草類 生態、培植、応用”科学技術文献出版社(中国)(1995)。


1・2)冬虫夏草と陰陽五行説

冬虫夏草の「冬」は飲、「虫」は陽、「夏」は陽、「草」は陰である。
中国清時代の呉儀洛(1757年)は『本草従新』で冬虫夏草について
「甘平保肺。益腎止血。化痰已労嗽。」と記している。
その意は「味は甘であるから平であり、肺を保ち腎を益し、血を止める。
痰を化し、労咳を癒す」と解釈できるとされている。
陰陽五行説に不詳の私にも、冬虫夏草の薬効説明は興味深い。
五行説によると、病気は「木」の「肝」から始まり、「心」、「脾」、「肺」を経て「腎」に至る。
五味の「甘」に属する冬虫夏草は、五材の「土」に属し、五臓の「脾」に入り、まず「脾」の病を治療する。
ついで、「肺」を保護し、更にその次の「腎」を益するように働く。
「平」の薬は、病で発熱している時(陽)、冷えて衰弱している時(陰)どちらにも使えることを示している。
この時代、中国で考えている「脾」と現代医学の「脾臓」が同一のものかは不明であるが、
脾臓は免疫を担当する重要な臓器である。

図2)冬虫夏草と陰陽五行

  


1・3)冬虫夏草の薬効・生理作用

薬用冬虫夏草の化学成分と薬効・生理作用との間の科学的な研究は緒についたところである。
注目される生理作用は、腫瘍細胞の成長阻害、免疫機能異常の改善、腎機能の早期回復、
マウスの毛の再生作用、運動機能向上作用、血糖降下作用等である。
これらの生理作用は、冬虫夏草菌類が純粋人工培養されるようになって明らかにされたものが多い。
冬虫夏草そのものの研究は、1919年に薬理学的研究として平滑筋に対する作用が最初に報告された。
中薬辞典には、結核菌に対する抗菌作用が記されている。
最近、水抽出エキスがエールリッヒ腹水癌や繊維肉腫細胞移植マウスに延命効果をもたらし、
マウスの免疫担当細胞による腫瘍細胞静止活性を増強させることが報告されている。
しかし、これらの研究では、生理活性と冬虫夏草の含有成分との関係は明確でなかった。
Chenらは、冬虫夏草そのものの多糖分画がヒト白血病細胞の成長と分化の阻害を、
木方は培養菌糸体から抽出精製された多糖に顕著な血糖低下作用を報告している。
Wangらは培養菌糸体の水可溶性分画をラット由来の培養副腎皮質細胞に適用し、コルチコステロン産生の増強を認めた。
また、食品への利用として、竹友らは冬虫夏草培養菌糸体エキスの大量製造法を確立した。
そのエキスを薬理学的に検討した結果、古来より伝承されている効能を認めた。
すなわち、心肺機能の増強、血流量の増加および糖代謝亢進作用である。
そのエキスの主成分は、タンパク質、糖質で、その他ミネラル等を含んでいるので、
運動機能の向上や成人病予防を目指す食品への利用を考えている。


1・4 冬虫夏草類縁菌の代謝産物・生理作用

薬用冬虫夏草のほかにも種々の昆虫に寄生する菌類が知られている。
これらの菌の多くは、冬虫夏草と同属の完全時代のコルジセプス属、
あるいはその不完全菌時代のイサリア属に属している。
それらの生理活性代謝産物としては、C.militarisの抗菌物質コルジセピン、
C.ophioglossoidesの抗菌物質オフィオコルジン、I,felinaのイサリインがよく知られている。
古谷らは数種のコルジセプス及びイサリア属の人工培養菌糸体抽出物について、
モルモットの摘出心臓に対する負の変力作用及びカルシウムイオン流入拮抗作用を検討した。
その結果、主要活性物質はアデノシン誘導体(HEA)であり、アデノシンも活性に関与している可能性を示唆した。
生本らも古谷らの方法にしたがって市販冬虫夏草や同属菌糸体について検討したところ、C.militarisとI.felinaに冬虫夏草と同様の強い活性を認めた。
その他、最近、矢萩らは、日本産虫草、ハナサナギタケ I.japonicaの培養液が、不飽和脂肪酸の過酸化をもたらすフリーラジカルを捕捉することを示した。
学会で発表された報告では、矢萩らのハナサナギタケの免疫機能の増強、抗腫瘍活性ならびに成分研究に関する永年の研究がある。
また、金城らは、C.crassisporaの培養抽出物の薬理活性(心筋収縮力、血管弛緩、気管支弛緩、血糖降下、抗ストレス、代謝機能調節、学習記憶)
を調べ、脳分泌ホルモンであるメラトニンを単離・同定した。近い将来、以上述べた冬虫夏草の生理作用と科学的成分との関連性が更に明らかにされ、
医薬並びに機能性食品としての有用性が科学的に証明されるであろう。






参考文献

(13)小倉享一、諏訪芳秀、田中隆治、吉栖肇、小川秀興、日皮会誌、96、195(1986)
(14)J,yoshida, S.takamura, N.Yamaguchi, L.J.Ren, H.Chen, S.Koshimura and Suzuki, J.Exp.
    Med.,59`157(1989).  J.Yoshida,S.Takamura, N.Yamaguchi, S.Suzuki and Koshimura, J.Kanazawa Med. Univ., 17, 330 (1992)
(15) Y.-J. Chen, M.-S.Shiao, S.-S.Lee and S.-Y.Wang, Life Sciences, 60, 2349 (1997)
(16)T.Kiho, J.Hui, A.Yamane and S.Ukai, Biol.Oharm.Bull., 16, 1291 (1993)
(17)T.Kiho, A.Yamane, J.Hui, S.Usui and S.Ukai, Biol,Pharm.Bull., 19, 294(1996)
(18)S.-M.Wang, L.-J Lee, W.-W. Lin and C.-M.Chang,J.Cell.Biochem., 69、483(1998)
(19)竹友直生、化学と工業、51、1614(1998)
(20)G.Deffeux et al.J.Antibiotics, 34, 1266 (1981)
(21)T.FUruya, M.Hirotani, M.Matsuzawa, Phytochemistry, 22,2509 (1983)
(22)生本 武、佐々木重夫、難波久子、遠山良介、守時英喜、毛利威徳、薬誌、111、504(1991)。
(23)N.Yahagi, M.Komatus, M.Hiramatsu, H.Shi, R.Yahagi, H.Kobayashi, H.Kamda, F.Takano and S.Fuchiya, Natural Medicines 53,319(1999)



2) 冬虫夏草類縁菌から免疫抑制剤の開発

最近、臓器移植法案が国会で認められ、その後数回の脳死臓器の移植が行われた。
生体あるいは脳死の臓器移植成功の鍵を握る薬は、移植後の拒絶反応を抑制する免疫抑制剤である。
移植手術の成功率の急激な上昇は、スイスの製薬会社サンド(現在ノルバティス)による
免疫抑制剤シクロスポリン(ciclosporin=cyclosporin A:CsA)の発見に負うところが大きい。
さらに、日本の製薬会社・藤沢薬品が発見したタクロリムス(FK506)は、シクロスポリンよりも活性が高く、移植治療に多大の貢献をしている。
しかし、両者に賢毒性などの副作用が認められ、また、両者は類似した作用機構をもつので、
作用機構の異なった副作用の少ない免疫抑制剤が求められている。
幸い、その要望に合いそうな化合物が冬虫夏草類縁菌の代謝産物から見つかった。
私達は、それを元にしてより安全性の高い物質に導くことができたので、その経過の概略を述べたい。





2.1) 免疫抑制剤研究の発端

私たちの免疫抑制剤研究の発端は、椎茸の栽培に大きな被害を与えた菌類トリコデルマ属菌の椎茸菌成長阻害活性物質の研究であった。
このトリコデルマ属菌培養液から多種のペブチドが単離され、その一つにトリコスポリドと名付けたペブチドがあった。
このトリコスポリドは、冬虫夏草の属する昆虫寄生菌から分離されているイサリインと化学構造が類似し、両者は環状構造をもつシクロデプシペプチドに属している。
他方、研究の初期、シクロスポリンを生産する菌の学名は、私たちが研究していたものと同一であった。
その後、菌分類学的検討から、シクロスポリン生産菌の学名は図3のように改名された。
そのようなことから私は免疫抑制に関心をもち、コルジセプスやイサリア属の昆虫寄生菌は、ひょっとすると昆虫の免疫様機能を低下させているかもしれない、
さらには脊椎動物に対する免疫抑制活性物資を生産しているかもしれないと考えた。
(本講演の後、発酵研究所・片桐 昭氏から、最近、シクロスポリン生産菌の完全世代が Cordyceps subessilis であると同定されたことを教示された。謝意を表する。)
そこで、入手可能な昆虫寄生菌を集め検討したところ、ツクツクボウシに寄生する菌、すなわちツクツクボウシタケから免疫抑制活性を示すISP-I(化合物T)が見つかった。
免疫抑制活性テストの方法は、マウスの同種混合リンパ球反応(MLR:Mouse Allogenieic Mixed Lymphocyte Reaction)を用いた。
この方法は移植の際の組織適合性の判定に用いられる。
文献を調べると、化合物Tに該当する物質は、10年くらい前に二つの研究グループにより、抗カビ剤として他の菌(ミセリア属菌等)から分離されていた。
彼らは、それぞれ独立にミリオシン、テルモジモシジンという名前で1972年に報告していた。
しかしながら免疫抑制活性については、まったく報告されていなかった。

図3) 免疫抑制活性物質研究の発端

図4) 現在、臓器移植の臨床に適用されているシクロスポリンとタクロリムス、とISP-Tの構造

ISP-Tの化学構造はシクロスポリンとタクロリムスそれらと比べ非常に単純である。




2・2)創薬の種子から先導化合物へ

自然界の生物は多種、多様な物質を生産する。
その各々は生命を維持するための役目があって働いていると考えられる。
人類は、それらの生理・薬理作用に着目し、天然物を生薬として病気の治療に利用してきた。
さらに、その有効成分は、医薬品創製の種子となり、あるいは合成医薬品の先導的役割を担う化合物となっているものが多数ある。
化合物Tを薬にするためには、活性を上げると同時に毒性を抑えなければならない。
今、考えると、化合物Tは種子的化合物であって、それから色々な作用をもつ先導化合物を創出できるように思う。
化合物Tの構造と活性との相関性を調べるために、化合物Tを原料として種々の誘導体の作成を計画した。
そのためには大量の化合物Tを必要とするので、効率よく化合物Tを生産するミセリア属菌を用いた。
化合物Tの分離過程で、基本骨格は同一であるが置換基の異なる同族体マイセステリシン類A−Gが分離されてきた(表1)。
そこで、官能基と活性との関係の検討すると、化合物T(ISP−I)の4位に水酸基(OH)がついているが、マイセステリシンDとEでは4位に水酸基がついていない。
しかし、それらの間には活性に大差はない。それゆえ、4位の水酸基は活性に影響を与えないであろう。
また、3位の水酸基の立体的な方向と活性との関係をみると、3位の水酸基は、化合物TとDでは太い点線で下向き、Eは太い実線で上向きである。
これらの間にも、活性に大差はない。結局、3位の水酸基は方向が違っても活性に影響しないことを示し、さらに、3位の水酸基も不要かもしれない。
なお、有機化合物の立体構造の表示法として、標準線で表示した炭素原子を紙面に置いたとき
実線は紙面から上向き、点線は下向きを表している。
カルボキシル基(COOH)を一級アルコール(ヒドロキシメチル基CHOH)に還元すると、驚くべきことに、化合物Tのアミノ酸部分のセリン構造が変化しても、
また、その不斉中心が消失しても元と活性があまり変わらない(表2 化合物3→化合物4)。
通常、不斉中心をもつ生理活性物質は、その一方のみが活性で他方は不活性か、あるいは異なった作用を示すことが多い。
後で判明したのであるが、この化学変化は免疫抑制の作用機構に質的な変化をもたらした。
前述の結果と考察から、免疫抑制活性に必要な置換基は、アミノ基(NH)、二個のヒドロキシメチル基と炭素鎖があればよいことになる。
これらの条件を満足する構造は構造式(6)で示され、それが先導化合物となった。
そこで、この(6)で示される化合物の炭素鎖の長さと細胞レベルのMLR活性と生体レベルのラット皮膚移植生着日数との関係を調べた。
MLR活性とラット皮膚移植生着日数は平行しており、免疫抑制活性が強く、毒性が低い化合物の炭素数は一四で、構造式は(6a)であった。
次に、この(6a)の脂肪族側鎖にベンゼン環を導入することを試みた。ベンゼン環の導入は分子の運動性が変わり、生体膜に入ったときに影響を及ぼす。
炭素鎖の長さは、一四に固定し、その間でこのベンゼン環を動かしてみた。ただし、ベンゼン環は、長さとして四個の炭素鎖長とみなした。
炭素数nがゼロは、ベンゼン環が官能基に直結した状態であり、一〇は、ベンゼン環が炭素鎖の末端にあることになる。
その結果、nが二の化合物(7)に最も強い活性が認められた。これを医薬品候補化合物としてとりあげ、FTY720(化合物U)と名づけた。
(表1、2の注 同種混合リンパ球反応MLRとは、同種たとえばマウスAとBの脾臓細胞(リンパ球)を培養する。
この時、B細胞にはマイトマイシン処理をして増殖できないようにしておく。
AとB細胞を混合すると、A細胞はB細胞を非自己と認識し、同種細胞障害性T細胞を分化増殖を抑制する。
IC50値は増殖を五○パーセントに抑える薬物の濃度を示し、値が小さいほど活性が強い。)






表1 マイセステリシン類の免疫抑制活性(MLR)

表2 ISPーI誘導体の構造と活性相関

構造式 6、6a、FTY720

2・3 免疫抑制活性発現の最小基本構造
化合物T(ISP−I)と同じ炭素骨格をもつ(6b)について、活性を発現させる最小基本構造を調べた。
化合物(6b)からアミノ基を除いたものは不活性となるが、ヒドロキシメチル基(CH2OH)を一つ取り除いた化合物(8)にまだ活性が残っていた。
構造式(8)から、さらにヒドロキシメチル基を除くと不活性となる。そこで、活性発現の最小基本構造は、(8)のような構造をもつアミノアルコールと推定される。
ここで再びアミノ基のついた炭素に不斉中心がまた現れてくる。側鎖の長さと活性の強さを調べると、前述の(6a)と同様に最適炭素数は一四の化合物(9)であった。
化合物(9)の立体異性体R−9とS−9の活性を比較するとR−9の方が高い。
それゆえ、立体構造を含めた免疫抑制活性発現の最小基本構造は、2−R−アミノアルコールとなる。
このアミノ基の配置は、生体内に通常存在する高級アミノアルコールであるスフィンゴシンのそれと同じであり、全構造も類似している(図5)。
そこで、化合物Tも化合物Uもスフィンゴシンと密接に関係があることが予想される。





2・4 スフィンゴシンと化合物T(ISP−I)ならびにその関連化合物との関係
 化学構成から考えると、化合物Tならびにその関連化合物はスフィンゴシンと密接な関係をもっている。
スフィンゴシン誘導体は生体膜に存在し、脳や神経細胞の細胞膜の構成成分として重要である。
スフィンゴシンはアミノ酸のセリンと脂肪酸誘導体のパルミトイルCOAから生合成される。
その最初の段階を蝕媒するセリンーパルミトイルトランスフェラーゼの作用を、
カルボキシル基がヒドロキシメチル基に変化した免疫抑制活性化合物は、この段階を阻害しない。
それゆえ、それらの化合物は、スフィンゴシンあるいは代謝過程のそれより下流の物質が、
同種細胞傷害性T細胞を増殖させるために出す何らかの情報伝達を阻害しているのではないか、と考えられる。
「化学構造が変わると作用点も変化する」という興味ある知見が得られた(図6)。
免疫科学的に、免疫抑制剤がどのポイントを抑えているか、専門ではないが説明すると(図7)、
いまドナーからの臓器(同種移植細胞)が来ると抗原提示細胞が、その特徴を抑え、それが異物であることを認識しヘルパーT細胞にその情報を伝える。
ヘルパーT細胞はインターロイキン‐2(IL‐2)を生産・放出して、「ドナーから来た細胞を攻撃せよ」と同種細胞傷害性T細胞を増殖させ、攻撃を始める。
このようにインターロイキン‐2が情報伝達物質になっている。シクロスポリンやタクロリムスはヘルパーT細胞からのインターロイキン‐2生合成を抑えている。
一方、化合物Tや化合物Uは、その部分は抑えない。その先の、インターロイキン‐2の情報を受け取り同種細胞傷害性T細胞の増殖に至る過程を阻害している。
その上、化合物UはT細胞による攻撃を抑えているような現象がでている。

図5 ISP‐Iから免疫抑制活性最小基本単位の探索

図6 ISP‐Iの生科学的作用点と関連免疫抑制物質の推定作用点

図7 ISP‐IとFTY720の免疫学的作用点

図8 同種移植モデルにおけるFTY720とCSAの併用効果
    A)ラット同種皮膚移植
    B)ラット同種心移植
    C)イヌ同種腎移植




2・5 他剤との併用効果
通信に例えれば、シクロスポリンやタクロリムスは発信側を抑え、化合物Tや化合物Uが受信側を抑えることになる。
そのように作用点が異なる両者を同時に用いると、通信阻害作用が効果的に働くことは当然予想される。
医学的には、医薬品の併用による相乗効果が期待され、同じ治療効果を表すために、薬用量を下げ副作用を減少させることができるならば、患者にとって大きな利益となる。
吉富製薬株式会社研究所の千葉健治博士らは、図8のようなラットの同種移植モデルにおける化合物U(FTY720)とシクロスポリンとの併用による相乗効果を証明している。
また、タクロリムスとの併用効果も同様に観察した。 では、化合物Uの作用機構がどこまで分かっているか?
同博士らは、化合物Uの投与によって抹消血のT細胞(CD3+Tcell)の数が急速に低下することを認めた。
同博士らは図9のようなリンパ球のホーミング(homing:鳩などが巣に帰る)を考え、立証している。
化合物Uは、リンパ球ホーミング作用にypって、循環しているリンパ球の数を減少させ、移植片への攻撃、すなわち拒絶反応を阻害していると考えている。
冬虫夏草の類縁であるツクツクボウシタケから薬効として免疫抑制作用をもつ化合物T(ISP‐I)を見出し、
さらに、副作用の少ない臨床適用の可能性を持つ化合物U(FTY720)に到達することができた。
(本研究は、京都大学薬学部薬用植物化学講座、台糖株式会社研究所、吉富製薬株式会社研究所の共同研究である。
ご協力賜った方々に深甚なる謝意を表します。)

図9 リンパ球循環とFTY720によるリンパ球ホーミング促進作用
   末梢血中を循環しているリンパ球は、高内皮性細静脈(HEV)を介して、リンパ節およびパイエル板へホーミングし、その後、リンパ管、胸管を経て、末梢血中へと再循環している。
FTY720は、リンパ節およびパイエル板へのリンパ球ホーミングを促進することによって、末梢血中のリンパ球数を減少させる。





終わりに
この杏雨書屋には歴史的に価値のある医学・薬学の貴重な文献が保存されている。
宮下三郎先生の話を拝聴して、自分たちが新規な研究を行っている気持ちでも、
古人は、その時代の科学の概念で、冬虫夏草の薬効について示唆しているような気がする。
古人が示唆した冬虫夏草の薬効のすべては、解明されていないが「温故知新」の心を大事にして研究すれば、
人類の健康・医療に貢献する新知見(杏雨)が、さらに得られるものと思う。


第2章に関する参考文献
(24)J.F.Borel、History of Cyclosporin A and Its Significance Immunology.
”CyclosporinA” J.F.Borel、Ed;Elsevier Biochemical Press:Amsterdam;5‐17(1982).
(25)a)H.Tanaka、A.Kuroda、H.Marusawa、H.Hatanaka、M.Hashimoto、T.Kino、T.Goto、T.Taga、J.Am.Chem.Soc.109、5031-5033(1987)。 
b)T.Kino、H.Hatanaka、M.Hashimoto、M.Nishiyama、T.Goto、
M.Okuhara、M.Kohsaka、H.Aoki、H.Imanaka、J.Antibiot.、40、1249-1255(1987).
(26)藤多哲朗、ファルマシア、33、591-593(1997)。T.Fujita、Dsign of Immunosuppres-sant based on fungal metabolites.
”Towards Natural Medicine Research in the 21st Century” H.Ageta et al Ed.;Elsevier Science B.V.(1998).
(27)三宅祐理佳、小堤保則、川嵜敏裕、医学のあゆみ、171、921-925(1995)。山地俊之、Yudi Sun' 小堤保則、蛋白質、核酸、酵素、46、2503-2509(1998)。
(28)川口貴史、星野幸夫、片岡裕敏、大槻真希夫、柳川芳毅、千葉健治、臨床免疫、30、1240-1244(1998)。





参考文献 (博行先生の徳島大学大学院(生物薬品化学)時代の恩師 藤多哲朗先生の文献をご紹介します。

冬虫夏草の薬効と成分 藤多哲朗 著

「冬虫夏草の薬効と成分」 京都大学名誉教授、藤多哲郎

冬虫夏草は、その薬物の名称から地球上の生物や季節など凡ての精気を含んでいるような気がする。
冬虫夏草がブームになった理由は、最初、1993年、中国・馬軍団の女子陸上運動選手が、多くの金メダルを獲得し記録を更新したことによる。
その強さの秘訣は「スッポン、狗肉、冬虫夏草」入りのドリンクであると伝えられた。これら3品は、いずれも中薬辞典に記載されている薬物である。
第二のブームは、冬虫夏草の人口培養による生産が可能となって、健康食品として市場の出たためと思う。
ここでは、薬用のいわゆる「冬虫夏草と昆虫に寄生する菌類の成分と薬効」
さらに現在、私たちが研究している「冬虫夏草類縁菌からの新規免疫抑制剤への開発」について述べる。






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冬虫夏草の薬効と成分  藤多 哲朗

冬虫夏草の薬効と成分 京都大学名誉教授 藤多 哲郎

冬虫夏草は、その薬物の名称から地球上の生物や季節など凡ての精気を含んでいるような気がする。
冬虫夏草がブームになった理由は、最初、1993年、中国・馬軍団の女子陸上運動選手が、多くの金メダルを獲得し、記録を更新したことによる。
その強さの秘訣は「スッポン、狗肉、冬虫夏草」入りのドリンクであると伝えられた。これら3品は、いずれも中薬辞典に記載されている薬物である。
第二のブームは、冬虫夏草の人口培養による生産が可能となって、健康食品として市場の出たためと思う。
ここでは、薬用のいわゆる「冬虫夏草と昆虫に寄生する菌類の成分と薬効」さらに現在、私たちが研究している
「冬虫夏草類縁菌からの新規免疫抑制剤への開発」について述べる。


1)冬虫夏草
現在、日本で一般的に冬虫夏草と総称されているものは、昆虫と寄生菌の子実体の合体したものである。
古来より中国では、菌がセミの幼虫に寄生して生じた「蝉花」が小児の夜泣きなどに使用されてきた。
中国では冬虫夏草は虫草、冬虫草とも呼ばれ、菌学者の小林義雄博士は混乱を避けるために、
薬用の冬虫夏草に心ならずも支那冬虫夏草の名称を使用している。

1・1)冬虫夏草の生態

薬用の冬虫夏草は、冬虫夏草菌(フユムシナツクサタケ)がコウモリガ科の幼虫に寄生したものである。
虫体は第三令のカイコのような形をしているが、体内は菌糸で満たされている。
その幼虫はタデ科の植物、珠芽蓼の地下茎を食し、この植物が自生していないと幼虫が生育できないという共生関係が成り立っている。
そのタデ科の植物は日本のイブキトラノオと近縁植物である。
冬虫夏草は四川、青海、貴州、雲南、甘粛、チベット、さらに中国の北方やネパールでも産する。
ネパールでは王侯の秘薬として珍重、保護されている。産地が中国奥地の標高4,000メートルの高地であるため、
中国においても知られたのは清時代で、ヨーロッパに紹介されたのは1726年、日本には1728年であった。

図1) 冬虫夏草の生態 写真1) 野生の冬虫夏草
写真2 市販薬用冬虫夏草


冬虫夏草に関してまとめられた書籍・文献は次のものが出版されている。

(1)小林義雄“日本・中国菌類歴史と民族学”廣川書店(1983)
(2)久保道徳 “冬虫夏草・秘密とそのパワー”保育社 (1996)
(3)江蘇新医学院偏“中葯大辞典(上)”787頁(1985)
(4)清水大典“冬虫夏草”ニューサイエンス社(1979)“原色冬虫夏草図鑑”誠文堂新光社(1994)
(5)難波恒雄“原色和漢薬図鑑(下)”保育社、233頁-234頁(1980)
(6)陣存仁“図説漢方医薬大辞典”172頁-173頁 講談社(1982)
(7)宇多川俊一、椿 啓介ほか“菌類図鑑(上)”70頁、437頁 講談社サイエンティフィク(1982)
(8)小林義雄、清水大典“冬虫夏草菌図譜”保育社、 137頁-140頁(1984)
(9)吉井常人“王侯の秘薬”サンライズ印刷出版(1990)
(10)高橋義博、洪嘉禾“奇跡を呼ぶ冬虫夏草”KKベストセラーズ(1994)。
(11)矢萩信夫、矢萩禮美子“「日本冬虫夏草」超健康法”ワニブックス(1994)
(12)王国棟“冬虫夏草類 生態、培植、応用”科学技術文献出版社(中国)(1995)。


1・2冬虫夏草と陰陽五行説
 冬虫夏草の「冬」は飲、「虫」は陽、「夏」は陽、「草」は陰である。
中国清時代の呉儀洛(1757年)は『本草従新』で冬虫夏草について「甘平保肺。益腎止血。
化痰已労嗽。」と記している。その意は「味は甘であるから平であり、肺を保ち腎を益し、血を止める。痰を化し、労咳を癒す」と解釈できるとされている。
陰陽五行説に不詳の私にも、冬虫夏草の薬効説明は興味深い。五行説によると、病気は「木」の「肝」から始まり、「心」、「脾」、「肺」を経て「腎」に至る。
五味の「甘」に属する冬虫夏草は、五材の「土」に属し、五臓の「脾」に入り、まず「脾」の病を治療する。
ついで、「肺」を保護し、更にその次の「腎」を益するように働く。「平」の薬は、病で発熱している時(陽)、冷えて衰弱している時(陰)どちらにも使えることを示している。
この時代、中国で考えている「脾」と現代医学の「脾臓」が同一のものかは不明であるが、脾臓は免疫を担当する重要な臓器である。

図2 冬虫夏草と陰陽五行


1・3 冬虫夏草の薬効・生理作用
薬用冬虫夏草の化学成分と薬効・生理作用との間の科学的な研究は緒についたところである。
注目される生理作用は、腫瘍細胞の成長阻害、免疫機能異常の改善、腎機能の早期回復、マウスの毛の再生作用、運動機能向上作用、血糖降下作用等である。
これらの生理作用は、冬虫夏草菌類が純粋人工培養されるようになって明らかにされたものが多い。
冬虫夏草そのものの研究は、1919年に薬理学的研究として平滑筋に対する作用が最初に報告された。
中薬辞典には、結核菌に対する抗菌作用が記されている。
最近、水抽出エキスがエールリッヒ腹水癌や繊維肉腫細胞移植マウスに延命効果をもたらし、マウスの免疫担当細胞による腫瘍細胞静止活性を増強させることが報告されている。
しかし、これらの研究では、生理活性と冬虫夏草の含有成分との関係は明確でなかった。
Chenらは、冬虫夏草そのものの多糖分画がヒト白血病細胞の成長と分化の阻害を、木方は培養菌糸体から抽出精製された多糖に顕著な血糖低下作用を報告している。
Wangらは培養菌糸体の水可溶性分画をラット由来の培養副腎皮質細胞に適用し、コルチコステロン産生の増強を認めた。
また、食品への利用として、竹友らは冬虫夏草培養菌糸体エキスの大量製造法を確立した。そのエキスを薬理学的に検討した結果、古来より伝承されている効能を認めた。
すなわち、心肺機能の増強、血流量の増加および糖代謝亢進作用である。
そのエキスの主成分は、タンパク質、糖質で、その他ミネラル等を含んでいるので、運動機能の向上や成人病予防を目指す食品への利用を考えている。


1・4 冬虫夏草類縁菌の代謝産物・生理作用
薬用冬虫夏草のほかにも種々の昆虫に寄生する菌類が知られている。
これらの菌の多くは、冬虫夏草と同属の完全時代のコルジセプス属、あるいはその不完全菌時代のイサリア属に属している。
それらの生理活性代謝産物としては、C.militarisの抗菌物質コルジセピン、C.ophioglossoidesの抗菌物質オフィオコルジン、I,felinaのイサリインがよく知られている。
古谷らは数種のコルジセプス及びイサリア属の人工培養菌糸体抽出物について、モルモットの摘出心臓に対する負の変力作用及びカルシウムイオン流入拮抗作用を検討した。
その結果、主要活性物質はアデノシン誘導体(HEA)であり、アデノシンも活性に関与している可能性を示唆した。
生本らも古谷らの方法にしたがって市販冬虫夏草や同属菌糸体について検討したところ、C.militarisとI.felinaに冬虫夏草と同様の強い活性を認めた。
その他、最近、矢萩らは、日本産虫草、ハナサナギタケ I.japonicaの培養液が、不飽和脂肪酸の過酸化をもたらすフリーラジカルを捕捉することを示した。
学会で発表された報告では、矢萩らのハナサナギタケの免疫機能の増強、抗腫瘍活性ならびに成分研究に関する永年の研究がある。
また、金城らは、C.crassisporaの培養抽出物の薬理活性(心筋収縮力、血管弛緩、気管支弛緩、血糖降下、
抗ストレス、代謝機能調節、学習記憶)を調べ、脳分泌ホルモンであるメラトニンを単離・同定した。
近い将来、以上述べた冬虫夏草の生理作用と科学的成分との関連性が更に明らかにされ、医薬並びに機能性食品としての有用性が科学的に証明されるであろう。


参考文献
(13)小倉享一、諏訪芳秀、田中隆治、吉栖肇、小川秀興、日皮会誌、96、195(1986)
(14)J,yoshida, S.takamura, N.Yamaguchi, L.J.Ren, H.Chen, S.Koshimura and Suzuki, J.Exp.
    Med.,59`157(1989).  J.Yoshida,S.Takamura, N.Yamaguchi, S.Suzuki and Koshimura, J.Kanazawa Med. Univ., 17, 330 (1992)
(15) Y.-J. Chen, M.-S.Shiao, S.-S.Lee and S.-Y.Wang, Life Sciences, 60, 2349 (1997)
(16)T.Kiho, J.Hui, A.Yamane and S.Ukai, Biol.Oharm.Bull., 16, 1291 (1993)
(17)T.Kiho, A.Yamane, J.Hui, S.Usui and S.Ukai, Biol,Pharm.Bull., 19, 294(1996)
(18)S.-M.Wang, L.-J Lee, W.-W. Lin and C.-M.Chang,J.Cell.Biochem., 69、483(1998)
(19)竹友直生、化学と工業、51、1614(1998)
(20)G.Deffeux et al.J.Antibiotics, 34, 1266 (1981)
(21)T.FUruya, M.Hirotani, M.Matsuzawa, Phytochemistry, 22,2509 (1983)
(22)生本 武、佐々木重夫、難波久子、遠山良介、守時英喜、毛利威徳、薬誌、111、504(1991)。
(23)N.Yahagi, M.Komatus, M.Hiramatsu, H.Shi, R.Yahagi, H.Kobayashi, H.Kamda, F.Takano and S.Fuchiya, Natural Medicines 53,319(1999)


2 冬虫夏草類縁菌から免疫抑制剤の開発
最近、臓器移植法案が国会で認められ、その後数回の脳死臓器の移植が行われた。
生体あるいは脳死の臓器移植成功の鍵を握る薬は、移植後の拒絶反応を抑制する免疫抑制剤である。
移植手術の成功率の急激な上昇は、スイスの製薬会社サンド(現在ノルバティス)による免疫抑制剤シクロスポリン(ciclosporin=cyclosporin A:CsA)の発見に負うところが大きい。
さらに、日本の製薬会社・藤沢薬品が発見したタクロリムス(FK506)は、シクロスポリンよりも活性が高く、移植治療に多大の貢献をしている。
しかし、両者に賢毒性などの副作用が認められ、また、両者は類似した作用機構をもつので、作用機構の異なった副作用の少ない免疫抑制剤が求められている。
幸い、その要望に合いそうな化合物が冬虫夏草類縁菌の代謝産物から見つかった。
私達は、それを元にしてより安全性の高い物質に導くことができたので、その経過の概略を述べたい。

2.1 免疫抑制剤研究の発端
私たちの免疫抑制剤研究の発端は、椎茸の栽培に大きな被害を与えた菌類トリコデルマ属菌の椎茸菌成長阻害活性物質の研究であった。
このトリコデルマ属菌培養液から多種のペブチドが単離され、その一つにトリコスポリドと名付けたペブチドがあった。
このトリコスポリドは、冬虫夏草の属する昆虫寄生菌から分離されているイサリインと化学構造が類似し、両者は環状構造をもつシクロデプシペプチドに属している。
他方、研究の初期、シクロスポリンを生産する菌の学名は、私たちが研究していたものと同一であった。
その後、菌分類学的検討から、シクロスポリン生産菌の学名は図3のように改名された。
そのようなことから私は免疫抑制に関心をもち、コルジセプスやイサリア属の昆虫寄生菌は、ひょっとすると昆虫の免疫様機能を低下させているかもしれない、
さらには脊椎動物に対する免疫抑制活性物資を生産しているかもしれないと考えた。
(本講演の後、発酵研究所・片桐 昭氏から、最近、シクロスポリン生産菌の完全世代がCordyceps subessilisであると同定されたことを教示された。謝意を表する。)
そこで、入手可能な昆虫寄生菌を集め検討したところ、ツクツクボウシに寄生する菌、すなわちツクツクボウシタケから免疫抑制活性を示すISP-I(化合物T)が見つかった。
免疫抑制活性テストの方法は、マウスの同種混合リンパ球反応(MLR:Mouse Allogenieic Mixed Lymphocyte Reaction)を用いた。
この方法は移植の際の組織適合性の判定に用いられる。文献を調べると、化合物Tに該当する物質は、
10年くらい前に二つの研究グループにより、抗カビ剤として他の菌(ミセリア属菌等)から分離されていた。
彼らは、それぞれ独立にミリオシン、テルモジモシジンという名前で1972年に報告していた。
しかしながら免疫抑制活性については、まったく報告されていなかった。

図3 免疫抑制活性物質研究の発端

図4 現在、臓器移植の臨床に適用されているシクロスポリンとタクロリムス、とISP-Tの構造
    ISP-Tの化学構造はシクロスポリンとタクロリムスそれらと比べ非常に単純である。


2・2 創薬の種子から先導化合物へ
自然界の生物は多種、多様な物質を生産する。
その各々は生命を維持するための役目があって働いていると考えられる。
人類は、それらの生理・薬理作用に着目し、天然物を生薬として病気の治療に利用してきた。
さらに、その有効成分は、医薬品創製の種子となり、あるいは合成医薬品の先導的役割を担う化合物となっているものが多数ある。
化合物Tを薬にするためには、活性を上げると同時に毒性を抑えなければならない。
今、考えると、化合物Tは種子的化合物であって、それから色々な作用をもつ先導化合物を創出できるように思う。
化合物Tの構造と活性との相関性を調べるために、化合物Tを原料として種々の誘導体の作成を計画した。
そのためには大量の化合物Tを必要とするので、効率よく化合物Tを生産するミセリア属菌を用いた。
化合物Tの分離過程で、基本骨格は同一であるが置換基の異なる同族体マイセステリシン類A−Gが分離されてきた(表1)。
そこで、官能基と活性との関係の検討すると、化合物T(ISP−I)の4位に水酸基(OH)がついているが、マイセステリシンDとEでは4位に水酸基がついていない。
しかし、それらの間には活性に大差はない。それゆえ、4位の水酸基は活性に影響を与えないであろう。
また、3位の水酸基の立体的な方向と活性との関係をみると、3位の水酸基は、化合物TとDでは太い点線で下向き、Eは太い実線で上向きである。
これらの間にも、活性に大差はない。結局、3位の水酸基は方向が違っても活性に影響しないことを示し、さらに、3位の水酸基も不要かもしれない。
なお、有機化合物の立体構造の表示法として、標準線で表示した炭素原子を紙面に置いたとき、実線は紙面から上向き、点線は下向きを表している。
カルボキシル基(COOH)を一級アルコール(ヒドロキシメチル基CHOH)に還元すると、驚くべきことに、化合物Tのアミノ酸部分のセリン構造が変化しても、
また、その不斉中心が消失しても元と活性があまり変わらない(表2 化合物3→化合物4)。
通常、不斉中心をもつ生理活性物質は、その一方のみが活性で他方は不活性か、あるいは異なった作用を示すことが多い。
後で判明したのであるが、この化学変化は免疫抑制の作用機構に質的な変化をもたらした。
前述の結果と考察から、免疫抑制活性に必要な置換基は、アミノ基(NH)、二個のヒドロキシメチル基と炭素鎖があればよいことになる。
これらの条件を満足する構造は構造式(6)で示され、それが先導化合物となった。
そこで、この(6)で示される化合物の炭素鎖の長さと細胞レベルのMLR活性と生体レベルのラット皮膚移植生着日数との関係を調べた。
MLR活性とラット皮膚移植生着日数は平行しており、免疫抑制活性が強く、毒性が低い化合物の炭素数は一四で、構造式は(6a)であった。
次に、この(6a)の脂肪族側鎖にベンゼン環を導入することを試みた。ベンゼン環の導入は分子の運動性が変わり、生体膜に入ったときに影響を及ぼす。
炭素鎖の長さは、一四に固定し、その間でこのベンゼン環を動かしてみた。ただし、ベンゼン環は、長さとして四個の炭素鎖長とみなした。
炭素数nがゼロは、ベンゼン環が官能基に直結した状態であり、一〇は、ベンゼン環が炭素鎖の末端にあることになる。
その結果、nが二の化合物(7)に最も強い活性が認められた。これを医薬品候補化合物としてとりあげ、FTY720(化合物U)と名づけた。
(表1、2の注 同種混合リンパ球反応MLRとは、同種たとえばマウスAとBの脾臓細胞(リンパ球)を培養する。
この時、B細胞にはマイトマイシン処理をして増殖できないようにしておく。
AとB細胞を混合すると、A細胞はB細胞を非自己と認識し、同種細胞障害性T細胞を分化増殖を抑制する。
IC50値は増殖を五○パーセントに抑える薬物の濃度を示し、値が小さいほど活性が強い。)

表1 マイセステリシン類の免疫抑制活性(MLR)

表2 ISPーI誘導体の構造と活性相関

構造式 6、6a、FTY720


2・3 免疫抑制活性発現の最小基本構造
化合物T(ISP−I)と同じ炭素骨格をもつ(6b)について、活性を発現させる最小基本構造を調べた。
化合物(6b)からアミノ基を除いたものは不活性となるが、ヒドロキシメチル基(CH2OH)を一つ取り除いた化合物(8)にまだ活性が残っていた。
構造式(8)から、さらにヒドロキシメチル基を除くと不活性となる。そこで、活性発現の最小基本構造は、(8)のような構造をもつアミノアルコールと推定される。
ここで再びアミノ基のついた炭素に不斉中心がまた現れてくる。側鎖の長さと活性の強さを調べると、前述の(6a)と同様に最適炭素数は一四の化合物(9)であった。
化合物(9)の立体異性体R−9とS−9の活性を比較するとR−9の方が高い。
それゆえ、立体構造を含めた免疫抑制活性発現の最小基本構造は、2−R−アミノアルコールとなる。
このアミノ基の配置は、生体内に通常存在する高級アミノアルコールであるスフィンゴシンのそれと同じであり、全構造も類似している(図5)。
そこで、化合物Tも化合物Uもスフィンゴシンと密接に関係があることが予想される。


2・4 スフィンゴシンと化合物T(ISP−I)ならびにその関連化合物との関係
 化学構成から考えると、化合物Tならびにその関連化合物はスフィンゴシンと密接な関係をもっている。
スフィンゴシン誘導体は生体膜に存在し、脳や神経細胞の細胞膜の構成成分として重要である。
スフィンゴシンはアミノ酸のセリンと脂肪酸誘導体のパルミトイルCOAから生合成される。
その最初の段階を蝕媒するセリンーパルミトイルトランスフェラーゼの作用を、カルボキシル基がヒドロキシメチル基に変化した免疫抑制活性化合物は、この段階を阻害しない。
それゆえ、それらの化合物は、スフィンゴシンあるいは代謝過程のそれより下流の物質が、
同種細胞傷害性T細胞を増殖させるために出す何らかの情報伝達を阻害しているのではないか、と考えられる。
「化学構造が変わると作用点も変化する」という興味ある知見が得られた(図6)。
免疫科学的に、免疫抑制剤がどのポイントを抑えているか、専門ではないが説明すると(図7)、
いまドナーからの臓器(同種移植細胞)が来ると抗原提示細胞が、その特徴を抑え、それが異物であることを認識しヘルパーT細胞にその情報を伝える。
ヘルパーT細胞はインターロイキン‐2(IL‐2)を生産・放出して、「ドナーから来た細胞を攻撃せよ」と同種細胞傷害性T細胞を増殖させ、攻撃を始める。
このようにインターロイキン‐2が情報伝達物質になっている。シクロスポリンやタクロリムスはヘルパーT細胞からのインターロイキン‐2生合成を抑えている。
一方、化合物Tや化合物Uは、その部分は抑えない。その先の、インターロイキン‐2の情報を受け取り同種細胞傷害性T細胞の増殖に至る過程を阻害している。
その上、化合物UはT細胞による攻撃を抑えているような現象がでている。

図5 ISP‐Iから免疫抑制活性最小基本単位の探索

図6 ISP‐Iの生科学的作用点と関連免疫抑制物質の推定作用点

図7 ISP‐IとFTY720の免疫学的作用点

図8 同種移植モデルにおけるFTY720とCSAの併用効果
    A)ラット同種皮膚移植
    B)ラット同種心移植
    C)イヌ同種腎移植


2・5 他剤との併用効果
通信に例えれば、シクロスポリンやタクロリムスは発信側を抑え、化合物Tや化合物Uが受信側を抑えることになる。
そのように作用点が異なる両者を同時に用いると、通信阻害作用が効果的に働くことは当然予想される。
医学的には、医薬品の併用による相乗効果が期待され、同じ治療効果を表すために、薬用量を下げ副作用を減少させることができるならば、患者にとって大きな利益となる。
吉富製薬株式会社研究所の千葉健治博士らは、図8のようなラットの同種移植モデルにおける化合物U(FTY720)とシクロスポリンとの併用による相乗効果を証明している。
また、タクロリムスとの併用効果も同様に観察した。 では、化合物Uの作用機構がどこまで分かっているか?
同博士らは、化合物Uの投与によって抹消血のT細胞(CD3+Tcell)の数が急速に低下することを認めた。
同博士らは図9のようなリンパ球のホーミング(homing:鳩などが巣に帰る)を考え、立証している。
化合物Uは、リンパ球ホーミング作用にypって、循環しているリンパ球の数を減少させ、移植片への攻撃、すなわち拒絶反応を阻害していると考えている。
冬虫夏草の類縁であるツクツクボウシタケから薬効として免疫抑制作用をもつ化合物T(ISP‐I)を見出し、
さらに、副作用の少ない臨床適用の可能性を持つ化合物U(FTY720)に到達することができた。
(本研究は、京都大学薬学部薬用植物化学講座、台糖株式会社研究所、吉富製薬株式会社研究所の共同研究である。
ご協力賜った方々に深甚なる謝意を表します。)

図9 リンパ球循環とFTY720によるリンパ球ホーミング促進作用
   末梢血中を循環しているリンパ球は、高内皮性細静脈(HEV)を介して、リンパ節およびパイエル板へホーミングし、その後、リンパ管、胸管を経て、末梢血中へと再循環している。
FTY720は、リンパ節およびパイエル板へのリンパ球ホーミングを促進することによって、末梢血中のリンパ球数を減少させる。


終わりに
この杏雨書屋には歴史的に価値のある医学・薬学の貴重な文献が保存されている。
宮下三郎先生の話を拝聴して、自分たちが新規な研究を行っている気持ちでも、
古人は、その時代の科学の概念で、冬虫夏草の薬効について示唆しているような気がする。
古人が示唆した冬虫夏草の薬効のすべては、解明されていないが「温故知新」の心を大事にして研究すれば、
人類の健康・医療に貢献する新知見(杏雨)が、さらに得られるものと思う。


第2章に関する参考文献
(24)J.F.Borel、History of Cyclosporin A and Its Significance Immunology.
”CyclosporinA” J.F.Borel、Ed;Elsevier Biochemical Press:Amsterdam;5‐17(1982).
(25)a)H.Tanaka、A.Kuroda、H.Marusawa、H.Hatanaka、M.Hashimoto、T.Kino、T.Goto、T.Taga、J.Am.Chem.Soc.109、5031-5033(1987)。 
b)T.Kino、H.Hatanaka、M.Hashimoto、M.Nishiyama、T.Goto、
M.Okuhara、M.Kohsaka、H.Aoki、H.Imanaka、J.Antibiot.、40、1249-1255(1987).
(26)藤多哲朗、ファルマシア、33、591-593(1997)。T.Fujita、Dsign of Immunosuppres-sant based on fungal metabolites.
”Towards Natural Medicine Research in the 21st Century” H.Ageta et al Ed.;Elsevier Science B.V.(1998).
(27)三宅祐理佳、小堤保則、川嵜敏裕、医学のあゆみ、171、921-925(1995)。山地俊之、Yudi Sun' 小堤保則、蛋白質、核酸、酵素、46、2503-2509(1998)。
(28)川口貴史、星野幸夫、片岡裕敏、大槻真希夫、柳川芳毅、千葉健治、臨床免疫、30、1240-1244(1998)。

                                      


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