特集:女性の悩みと漢方薬

@尿失禁(お漏らし)、A頻尿、B月経前緊張症、C更年期、Dストレス病

尿失禁(お漏らし)と漢方薬




相談B くしゃみや咳をすると失禁(尿漏れ、おもらし)します。

数年前からくしゃみや咳をすると失禁(尿漏れ)が起こるようになり、気になって外出もゆううつです。
合成新薬はあまり飲みたくありません。漢方薬で、改善されますか? (54歳・女性)

お答えします。
尿失禁の原因はさまざまですが、この方は、おなかに力が入った拍子に尿が漏れる「腹圧性尿失禁」と思われます。
腹圧性尿失禁は、尿道・膣・肛門周囲の骨盤低筋の筋力低下や、膀胱を支える組織が緩むことなどが原因で起こります。
女性に多く、特に、経産婦や運動不足の人によく見られます。

腹圧性尿失禁に対しては、骨盤低筋を鍛える体操が基本になります。
もも上げ、その場跳び、なわ跳び、水中歩行などの運動が役立ちます。
この方は筋力とともに気力も低下しているようなので、運動と併せて「補中益気湯」などを用いるとよいと思います。
緩みがちなものを引き締め、元気を補ってくれる薬です。
私は、この他に、「小建中湯」や「黄耆建中湯」などもよく用います。

腹圧性尿失禁を改善する体操

もも上げ、その場跳び、なわ跳び、水中歩行
日常、こうした運動をすることも腹圧性尿失禁の予防や改善に役立つ。

女性の尿失禁(おもらし)に効く漢方薬

 当帰芍薬散(虚)       腹直筋の緊張*あり、浮腫傾向ある
 黄耆建中湯(虚)       腹直筋の緊張*あり、浮腫傾向なし、皮膚が弱く、化膿しやすい
 小建中湯(虚)         腹直筋の緊張*あり、浮腫傾向なし、皮膚が弱く、化膿しやすくない
 補中益気湯(虚)       腹直筋の緊張*なし、微熱、夏やせある

*(腹直筋の緊張)・・・膝を伸ばして仰向けに寝ても腹直筋が緊張する。



女性の頻尿に効く漢方薬

 苓姜朮甘湯(虚)      胃腸虚弱あり、腰より下の冷え、下半身が重だるい
 清心蓮子飲(虚)      胃腸虚弱あり、腰より下の冷え、下半身が重だるくない
 五苓散(虚)         胃腸虚弱なし、浮腫傾向あり、汗をかきやすい
 牛車腎気丸(虚〜中)   胃腸虚弱なし、浮腫傾向あり、汗をかきやすくない
 猪苓湯(実)         胃腸虚弱なし、浮腫傾向あり、汗をかきやすくない
 八味地黄丸(虚〜中)   胃腸虚弱なし、浮腫傾向軽度〜なし
 六味地黄丸(虚)       胃腸虚弱なし、浮腫傾向なし、乾燥傾向、口が渇く


月経前緊張症と漢方薬

月経前の不快な症状も、漢方ですっきり!

月経が始まる数日前から、イライラしたり、気分が落ち込んだり、
頭痛、腹痛、肩こり、むくみ、乳房の張りや痛みなど、
さまざまな身体的、精神的、あるいは行動的症候により、
対人関係や日常生活に支障をきたす場合もあります。
このような症状は月経前緊張症(PMS)と呼ばれ、
ホルモンのバランスが崩れて起きるのではないかと考えられています。

月経前緊張症(PMS)

身体的症状:
発熱、頭痛、肌荒れ、肩こり、むくみ、腹痛、腹部膨満感、乳房の張り・痛み、だるさ、腰痛、便秘

精神的症状:
不安感、眠気、イライラ、起こりやすくなる、抑うつ感、意欲低下、集中力低下

月経前緊張症(PMS)に用いる漢方薬とは!?
月経前緊張症は、症状が多彩であるため、さまざまな薬物療法が試みられていますが、
まだ治療法が確立されておりません。
漢方薬は、一つの処方で多愁訴の改善が期待できることから、
月経前緊張症の適応になると考えられます。

大山漢方堂薬局では、では、月経血に血の塊が多く、のぼせ、イライラがあり、
腹痛がひどい場合は、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、
冷えやすく、貧血、めまい、手足のむくみがある場合は、「涌出(ゆうしゅつ)」、
疲れやすく、憂うつ感、不眠など精神が不安定な場合は、「清心(せいしん)」、
そのほか、「光風(こうふう)」、「天祐(てんゆう)」など、
個人の体質や症状に合わせてさまざまな薬を使い分けます。
漢方薬は、作用が穏やかで、ホルモン療法を希望しない方にも、よく使われています。
漢方薬に、お迷いの場合は、お気軽に、大山漢方堂薬局に、お電話ください!

くらしの知恵と予防法
●疲れをためないように、十分な睡眠をとりましょう。
●入浴や軽い運動で血のめぐりを良くするよう心がけましょう。
●食生活に気をつけましょう。
マグネシウム不足にならないよう、魚介類、海藻類、大豆製品などをとり、
ビタミンB6を多く含むバナナやレバーなどの食品を積極的にとりましょう。
逆に、脂肪、糖類、動物性タンパク質は控え目に。
過剰な塩分、カフェイン、アルコールも控えた方がよいでしょう。




特集:女性の更年期障害と漢方薬

注意)一般に更年期障害と言えば女性の病気ですが、最近、男性の更年期障害もあるということで、
ここでは、あえて「女性の更年期障害」というタイトルをつけています。

相談@ 更年期のゆううつに効く漢方薬はありますか?

親の介護に明け暮れて日々悶々としています。少しでも楽しく毎日を送りたいのですが、
更年期のゆううつに効く漢方薬はありますか? (51歳・女性)

お答えします。
女性の更年期障害は、昔から「血の道症」といわれてきました。
「血の道症」とは、つまり月経にまつわる、さまざまな症状、閉経した後の症状(更年期症状)も含めたものです。
女性の「血の道症」では、「氣血水」の「血」の失調を中心に考えます。
血の失調を整える代表的な漢方薬が「当帰芍薬散」「加味逍遙散」「桂枝茯苓丸」「折衝飲」などで、
なかでも、精神的なストレスが多く焦燥感のあるような人には「加味逍遙散」がよく効きます。
上半身の熱感があるような人に向く薬で、「寝つきが悪い、怒りっぽい」という症状のある人にもよく効きます。
この方の場合、「氣」の働きが不足している「氣虚」もあるようなので、
「氣」を補って元気を出す「補中益気湯」などが有効でしょう。

女性の更年期障害によくみられる症状

抑うつ、のぼせ、イライラしやすい、めまい、発汗、肩こり、脱力感、不安、不眠、頭痛、耳鳴り、冷え、手足のしびれ

女性の更年期障害に用いる漢方薬

 漢方薬の例         主な症状

 加味逍遙散(虚)      便秘傾向あり 背中・上半身の発作性熱感あり
 桃核承気湯(実)      便秘傾向あり 背中・上半身の発作性熱感なし S状結腸部の擦過痛*あり
 女神散(実)         便秘傾向あり 背中・上半身の発作性熱感なし S状結腸部の擦過痛*なし
 当帰芍薬散(虚)      便秘傾向なし 浮腫傾向、貧血あり
 桂枝茯苓丸(中〜実)   便秘傾向なし 浮腫傾向、貧血なし 安静時の動悸・不安、不眠なし
 柴胡桂枝乾姜湯(虚)   便秘傾向なし 浮腫傾向、貧血なし 安静時の動悸・不安、不眠あり

*(擦過痛)・・・腹診で左下腹部のS状結腸あたりを軽くこすった際に現れる痛み。

本来の自分を取り戻して、
漢方で楽しい毎日を送りましょう!

更年期障害は、40歳過ぎごろから、50代半ばごろに見られる、
閉経前後の女性ホルモン減少に伴う身体的、精神的な諸症状です。
とくに、卵巣機能が衰えて、卵巣で作られるエストロゲンが消失することで、
体と心にさまざまな影響を及ぼします。
症状の出かたには個人差がありますが、
のぼせ、発汗、冷え、イライラ、憂鬱、不安感、不眠、めまい、
動悸、頭痛などの「不定愁訴」が現れます。
気力がなくなったり、物忘れがひどくなる人もいます。
体の変調に加えて、家庭環境の変化(子供の巣立ち、親の介護など)や
個人の性格といった背景も影響して、つらい症状を引き起こします。

また、男性も50歳を過ぎた頃から女性と同じような症状が現われることがあります。
女性に比べて穏やかですが、男性ホルモンの減少が影響しています。
主にのぼせ、動悸、性欲の減退、腰痛、不眠、不安感、焦燥感といった症状が現れます。
これからの生活をより豊かにするためには、
自分に合った方法で前向きに過ごすことが大切です。




更年期障害(女性)の薬物療法

@漢方薬:
さまざまな不定愁訴が現れる場合に有効です。
個人の体質、症状にあった薬で崩れた心身のバランスを調えます。

Aホルモン補充療法(HRT):
体内分泌が減少。消失した女性ホルモンを補い更年期症状を改善します。
また、骨粗鬆症の予防にも有効です。

B精神安定剤・抗うつ剤・心理療法:
ホルモン補充療法、漢方療法だけでは回復せず、
原因が自律神経性ではなく心因性の場合に有効です。

更年期障害に効く漢方薬!!!

更年期障害では、心身両面にわたるさまざまな症状が起こります。とくに、
@血管運動神経障害(ほてり、のぼせ、異常発汗,動悸、高血圧、低血圧、手足の冷えなど)や、
A精神神経障害(頭痛、めまい、立ちくらみ、不眠、耳鳴、不安感、イライラ、気力減退,抑うつ、記憶力低下など)
が多く見られます。

検査で異常が見つからないけれど、
多彩な自覚症状があらわれる「不定愁訴」は、漢方薬の得意分野の一つです。
大山漢方堂薬局では、
イライラや不安、不眠、気分がふさぐといった精神症状には、「清心(せいしん)」、「逍遙散(しょうようさん)」、
頭痛、めまい、肩こりがあり、のぼせやすく、ときに下腹部に痛みがある人には、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、
疲れやすく貧血気味で冷えもある場合は、「涌出(ゆうしゅつ)」、「妙光(みょうこう)」などを、
個人の体質、体力、症状などにより、使い分けて、お勧めしています。
漢方薬に、お迷いの場合は、お気軽に、大山漢方堂薬局に、お電話ください!

くらしの知恵と予防法
□更年期は誰にでも訪れる生理的なものだと割り切って,物事をあまり思いつめないようにしましょう。
□栄養バランスのとれた食事をとりましょう。
□睡眠をたっぷりとりましょう。
□適度な運動を心がけ、体力をつけておきましょう。


女性のストレス病に効く漢方薬

漢方で、ストレスへの抵抗力を身につけ、心と体を元気にする!

はっきりとした身体の病気でもなく、精神的な病気でもないのに、なんとなく調子が悪い、
からだのあちこちが痛い、気分が重い、なにをするのもつらい、、、、、、。
そんな悩みの背景には「ストレス病」が隠れていることがあります。
女性は、毎月の女性ホルモンの変化、妊娠、出産、更年期といったからだの内側の環境が変化しやすく、
それだけでもつらいのに、仕事や家庭での外部からのプレッシャーもあって、
ストレスへの抵抗力が弱ってしまいがちです。
ストレスへの抵抗力が弱ると、痛みなどの症状がからだのあちこちに現れる
不定愁訴、不眠、不安、いらいら感などが現れます。
こういうはっきりしない症状を自律神経失調症ということもあります。
このほか、喘息や胃潰瘍、高血圧、糖尿病、動脈硬化なども
ストレスの影響で発症したり症状が重くなったりします。

女性のストレスになりやすい出来事

10代の女性
=親との関係、両親の関係(離婚、別居など)、
友人関係、教師との関係、成績など
20代の女性
=親からの自立、進学、就職、美容、恋愛、結婚、妊娠・出産、
夫との関係、会社での人間関係など。
30代の女性
=親の病気や親の死、結婚、妊娠、育児、子供の成績、
夫との関係、会社での人間関係、仕事上の責任など。
40、50代の女性
=親の病気や看護、親の死、自分の病気、
夫との関係、子供の自立、親戚関係など。

漢方薬で、ストレスへの抵抗力をつける!

疲れやすい、眠れない、という「ちょっと困ったな」程度の症状なら、
十分な休養をとり、散歩や趣味などで時々ストレスの元から離れるようにするだけで改善します。
でも、自分ではどうしようもない症状がいつまでも続くようなら、要注意です。

ストレスの治療には、薬(抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬など)でまず症状を落ち着かせ、
それから自律訓練法や行動療法でストレスに対する抵抗力をつけていきます。

漢方薬は、基本的には、西洋薬の作用でカバーしきれない症状の改善や、
西洋薬を減量・中止するときに役立ち、
長期に使っても依存性を生じるという問題もありません。

大山漢方堂薬局では、たとえば、女性の方で、
不安が強く、のどの異物感、動悸、めまいがあるような場合には、「延寿(えんじゅ)」、
体力がなく、のぼせを伴い、不定愁訴がある場合には、「清心(せいしん)」、
体力がなく、貧血、意欲低下、抑うつ傾向がある場合には、「松鶴湯(しょうかくとう)」など、
精神状態だけでなく全身の状態をみて処方を決めます。

このほかにもストレス病に使われる漢方薬としては、
「抑肝散(よくかんさん)」、「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」、「休意(きゅうい)」など、
いろいろな種類があります。
漢方薬に、お迷いの場合は、お気軽に、大山漢方堂薬局に、お電話ください!

健康づくりのための休養指針(平成6年度厚生省)

□生活にリズムを:
睡眠時間、食事時間・自由時間等、生活にリズムをもたせ、休養を取り入れよう
□ゆとりの時間でみのりある休養を:
無理なく長生きのできる休養のしかたを、工夫して創りあげよう
□生活の中にオアシスを:
健康で活力ある生活は、自分のまわりの環境づくりから
□出会いときずなで豊かな人生を:
出会いやきずなは自己の社会的活力の再発見や養う契機に



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